自学自伸の四本柱(1)目標設定とその管理

自学自伸の四本柱

(1)目標設定とその管理

①目標にすべき適正レベルと管理

テストや何かの取り組みで、目標を掲げることが大事なのは言うまでもないですよね。まず、その掲げる目標のレベルについて書きたいと思います。

ありがちな例え方で、「馬に人参をぶら下げる」ということがありますが、馬の前に人参を吊るして走らせるとき、人参が極端に遠すぎたら、馬は届きそうもないと判断して全力疾走はしませんよね。少しずつその人参の方へ向かうかもしれませんが、走りにパワーは出ませんよね。

逆に、人参が簡単に届く位置にあったとしたら、バクっと食べて終わりです。走りません。それが続くとお腹いっぱいになって走れなくなります。人参は適切な距離に吊るすべきなんです。届きそうで届かないから馬は必死で走るんですよ。

もし生徒が、目標は立てるけど、一度も達成したことがなく、やる気が全然ないようでしたら、それは、目標が今の生徒のレベルには実現不可能だとおもってしまっているのかもしれません。例えばまだ平均点に行かない生徒に、親が「学年10位以内を達成したら、欲しい物を何でも買ってあげる!」なんて言っても、初回は必死に頑張るかもしれません。それでも惨敗です。次もある程度は頑張るでしょうが、全然達成できそうになさそうだったとしたら、もう次は頑張らなくなります。当たり前ですよね。

逆に、テストなどで毎回のように目標達成できているとしたら、それは褒められるべきではない状態の可能性もあります。低めの目標を設定してしまっているのかもしれません。テストの点数ならもう20点上を目標として掲げて頑張っていたら、未達成でも低めの目標を掲げているときよりも点数が高くなった、なんてことになりかねません。

今の力で頑張っても届きそうで届かないくらいの目標を設定しましょう。

②目標ありきのスケジュール作成

さて、適切な目標が立てられたら、今度は、それを実現するためのスケジュール作成です。ここでは順番に注意です。日時のスケジュールの前に、何をどの程度やるのかなどの内容が先です。その見通しが持てたら初めてカレンダーに勉強スケジュールを作っていくのです。先にカレンダーで教科別の勉強時間を決めてしまうやり方は良くありません。なぜなら、教科によって勉強時間が多く取られるものと、そうではなく集中力が必要なものとかあったりするので、学校や私生活のリズムに応じて、教科別、学習内容を把握してスケジュールを作る必要があるのです。

③学習時間のフレーム

勉強は、ただがむしゃらにやれば良いわけではありません。例えば「5時間勉強しました!」と言って、教科書をずっと写していただけとか、「10ページ問題集解きました!」と言って、丸付けもろくにしていないとか。これでは成績は上がりません。

成績が上がる勉強には、まず、大きなフレームがあります。

○インプット

知識や技術を得ていくことです。インプットには、授業を受ける。ノートをとる。教科書を読む。参考書を読む。などがあります。

○アウトプット

得た知識や技術をつかって問題等を解くことです。ワークを解く。教科書にある確認問題を解く。など、小テストなどから、定期テストや入試もそうですね。

そして、ここからが大事なのですが、私の造語になりますが

○「アウトプットイン」が、成績アップには欠かせません。アウトプットをしてから(しながら)吸収するという雰囲気の言葉ですね。

時間をかける比率としては、インプット:アウトプット:アウトプットイン=3:3:4くらいが理想だと思います。一番学力がアップしているのは、当然「アウトプットイン」の時間です。このアウトプットインの時間のために、その前のアウトプットが大事ですし、その前のインプットの時間が大事というわけです。

④モチベーション維持

モチベーション維持のためには、目標は書き出して目の前に貼り、周りに宣言をしたり、達成できたときの自分を妄想したり、それまでの過程を頭の中でシュミレーションする。さらに、目標を口に出して確認して、何が何でも実現させるんだ!と自分を奮い立たせる。そしてスケジュールを何度も確認して、確実に実行する。これが大切です。

まぁ、これを言っちゃおしまい、なんですが、そもそも、やる気やモチベーションというものに頼ってはいけないんですけどね。笑

しかし、それは確かに存在しています。人は、やる気に満ちているときと、そうでないときがあります。そんなことに左右されないためにも、勉強のスケジュールを淡々とこなしていくこと(後に触れる「習慣化」)が大事です。

この記事を書いた人

HIRO 川上先生