高校生と塾 〜自学力の誤解〜

先日、『自学力の育て方』の出版イベントがありました。

もちろんテーマは「自学力とは?」「自学力をつけるには?」というものでした。

高校生に関しては、ゲストとして参加してくれたAKRこと齊藤明先生が話をしてくれましたね。

○中学で手取り足取り教えた子は高校に行ったら伸び悩む子が多い。

○自学力がある子は高校に行っても自分でも高得点・高順位を取ることができる。

というような話から

「中学生のうちに自学力をつけて、高校では塾を辞めてください(笑)」

というようなことを言っていました。

 

私もAKRと目があって当日は

「そうですねー、私もそう思います(笑)」と一言だけ言いましたが、

もちろん「そう思います」は「高校生になったら塾を辞めてください」の部分じゃないですからね!笑

 

本当はもっと語りたいことあったのでここで書きます。

 

まず「中学生のうちに自学力をつけること」という点に関しては、まさにその通りです。

正確にいうと「自学力をつけること」ではなく

「自学力が必要なんだと理解すること」が中学生のうちに終わってないといけないという感じです。

なぜなら、中学という決められた期間で全員が全員自学できるようにならないとダメ、というものではありませんから。

 

ただ、自学の意識が身についてないと
「教えてもらわないとできない」
「なにをやったらいいか自分では決められない」
「できないのは先生が教えるのが下手だから」
というような考えになってしまって、これはとっても良くないのです。

現実、高校から大学、大人になったら、教えてもらうことが当たり前ではないからです。

じゃあ、自学力があれば、塾はいらない?

これの答えは「人による」でしょう。

自学力は、
自分”だけ”で学ぶことではないからです。
これ勘違いされやすいんですよね。

 

実際に、私も今大学に通っています。
お金を払って時間を使っています。

「え、そんなの本を読めばいいじゃん」

「YouTubeでも似たような動画はあるじゃん」

その通りです。

でも、私は大学にわざわざ行っています。

「自分の成長に必要だと思ったから」です。

そのには先生がいて、仲間がいて、提出期限などもあって、成績もつく。

読書や動画だけとは違う見えないものがたくさんあり、それを活用したら学びが大きくなると判断したからです。もちろん、学び取るのは自分ですから。

高校生と塾も全く同じです。

自学をするために、自習室やミーティングでの先生のサポートや友達との関わり、テスト後の振り返り、さまざまなものを自分から活用するのも立派な自学力です。

現に、明成の高校生はこうして塾を自ら活用しています。

自習にきて、先生に質問も適切にして、振り返りもして、未来のことを考えていくミーティングを行っています。

つまり、

大事なことは、自ら学ぶために必要なものはフル活用することも自学力だということです。

これは、子どもたちにも伝えていることです。

大人になって、やりたいことができた時、1人でやれることなんて少ないですから。

誰かに”適切”に助けてもらいながら成長していけばいい。

 

「自分を成長させてくれる誰かに期待する」というのは”不適切”な考えです。

「自分を成長させるために、自分が活用できるものを活用しきる」というのは”適切”な考えです。

大人になってもセミナーやビジネス塾でもよく言われるのは「誰かに何かしてもらおうと思ってる人のいかに多いことか。そして、そういう人は大体言われたことやってうまくいかない時にクレームを言ってくる」ということ。期待してるんですね、だれかが答えを教えてくれることを。

でも、他人が自分を変えてくれるという期待はするのはよくありません。実際、無理ですから。

あくまでも、自分で自分を変える手助けしかしてもらえないのですから。

これを中学生の時に学ぶことが、高校生やその後にも大事だと、明成では伝えてきています。

今、明成に高校生として通っている子たちは、自学ができない子たちではないです。
むしろ、自ら塾に通いたいと保護者様にお願いして、活用しながら奮闘している子たちです。
彼らの自学が自分一人でやるよりもスムーズに行くように、今後も全力で応援してあげたいと思います。

この記事を書いた人