令和2年 入試分析

数学

【学力検査問題】

  全体の構成として、大問ごとの問題数や配点に大きく変化がありました。大問1は51点から65点に大きく変化。1年生の単元からの出題が多くなり、難易度は易しくなりました。平均点は50台後半になることが予想されます。また、標本調査の記述、日常と絡めた相似の利用や三平方の問題など、新傾向の問題も出題されました。全体的に教科書内容を広く満遍なく理解し、練習を重ねれば得点できる内容と言えるでしょう。

1(1)~(10)は従来の大問1の計算分野と難易度は変わりません。(11)(12)は選択肢式になり「ねじれの位置」や「反比例のグラフ」に関しての正しい理解が求められる問題。 (13) は三平方の定理を使って円錐の高さを出します。(14)~(16)は統計分野の問題で(16)に関しては記述であり、標本調査についての正しい理解が問われます。

2(1)定番の垂線を引く問題です。Hの記入を忘れないようにしましょう。

(2)昨年に引き続き、平行四辺形の証明の問題が出ました。必要な条件をしっかりと抑え、型に沿った書き方で得点できます。教科書レベルの定番の問題です。

3 相似の利用と三平方を日常に絡めた新傾向の問題です。長い問題文から求めたいものを把握することが必要になります。相似の利用自体は、H24に類似問題が出ています。

(1)相似の考え方を使う問題です。(2)予め図が与えられており、二等辺三角形に気付けるどうかがポイントとなります。また、30°60°90°の直角三角形の比、最後に1.5を加えることも忘れないようにしましょう。

4 定番の関数と図形の問題。(1) 一次関数の式を求める定番の問題です。(2)① x座標の置き方に指定があります。各点の座標を、tを使って表す事がポイントになります。② 面積比が高さの比と同じである事や、比が1:3となる場合が2通りある場合に気づくことがポイントとなります。部分点もなく、完答は難しいでしょう。

【学校選択問題】

 全体の構成は大問1~5、小問19問と昨年度と比べて1問減少。3年生の範囲からの出題が多いのと同時に、1,2年生の範囲の知識を複合的に使う問題が多いです。また、学力検査問題と同じ種類の問題でも、求められているものや、条件に違いがあり、暗記だけで解けるものばかりではないと言えます。

 学校選択問題が採用されてから今年で4回目ですが、過去3年分と比較すると難易度はやや易化傾向にあります。

過去の埼玉県の入試対策だけにとどまらず、あらゆる種類の入試問題に触れ、初見の問題でも十分に対応できる力をつけていくことが必要となるでしょう。

1 (1)は落とせない計算問題。(2)は式の変形がポイント。(3)は置き換えを使った二次方程式。(4)は定番ですが、解が分数になるので不安になることもあります。(5)サイコロの問題です。条件に合うように漏れなく数えましょう。(7)は表面積を求める定番の問題。(8)資料の活用の新傾向の問題。場合分けをして未知数を求めます。(6)、(9)は学力検査と共通です。

2(1)円周角の定理を使った作図。(2)平行四辺形の証明。どちらも定番の問題です。

3 学力検査問題と共通ですが、(1)は問題の数字が違ったり(2)では自分で図を描いたりする必要があります。問題文から図を描く練習が必要です。

4(1)(2)①②ともに学力検査問題とほぼ共通です。

5(1)立体の体積を求める問題、確実に抑えたいところです。(2)PCがねじれの位置ではないことに注意。(3)立体の切断の問題。EQがACの中点と交わることや、長さを直接求めるのではなく”比だけ”を出すことがポイントとなってきます。補助線を引いて相似な図形をつくり、かつ比を見つけ出すことが必要です。

いろいろな図形の知識を複合的に使い、かつ説明も必要となりますので。完答は難しいでしょう。

英語

<学力検査問題>

★前年度と大きく変わったところ

 大問1【リスニング】はNo.6とNo.7の順番が入れ替わったことが、受験生を惑わせただろうか。メモの取り方が変わってくるから注意が必要だった。

大きな変化があったのは、大問3、4、5。大問3が、前年度と比べて文章量が半分以下に減少した反面、大問5にその分の長文(そこまでは長くはない)が出題され、大問5は読解に追加する形で、3文以上のメール本文を作る自由英作文が課せられた。

そして、大問4には2文以上の英作文が出題された(問7)。しかし、大問4の2文英作文の配点が4点、大問5の3文英作文が6点のあわせて10点が英作文として出題されている点は、前年度と変わらない。つまり、英作文パートが分散したことを意味する。

★難関ポイント

 大問2【語彙問題】のCには、動詞“rain”(雨が降る)に3単現の“s”をつけるという、語彙だけでなく柔軟な文法対応力が問われる難しい問題があった。大問3【長文読解】の問6の本文内容と一致する選択肢を選ぶ問題では、毎年ほぼ本文に出てくる順番通りに選択肢を消化できるが、今回は選択肢の根拠が本文の中でア→エ→ウ→イの順番で出てきた。

 さらに、知識としておさえておかないと迷ってしまうポイントもあった。例えば、前置詞“by”の意味。大問1、2では「~までに」、大問3では「~のそばで」が出題された。おそらく受験生の馴染みがある意味は「~によって」であろうか。もうひとつ紹介すると、「置いてくる」という意味の“leave”を知っているだろうか。これも「出発する」や「去る」の意味が主流ではないだろうか。

★今後の勉強に向けて

 英語教育改革の影響もあって、問題を解くのに必要な知識や「読む」分量が増えている。英語学習をするにあたり、どれくらい多くの英語を読んできたか、が問われる問題になった。従来の文法中心的な勉強の仕方だと、とうてい太刀打ちできない。

 また、「道案内」や「メール」といった、より実用的な英語に重点を置いた問題になってきた。やはり、教養としての英語ではなく、コミュニケーションツールとしての英語を身につけなければならなくなった。

 英語が「読め」なければ、「聞け」ないし、「書け」ないし、そして「話せ」ない。すべての技能を貫く「読む」ということに時間をかけることが重要だろう。しかし、読むためには語彙や文法の知識が必要なうえ、単語が発音できないと学習を進めることができない。だからエイメイでは、来年度入試に向けての最初の一手として、早期的な英語の発音指導を行っていく予定である。

<学校選択問題>

★前年度と大きく変わったところ

 大問1【リスニング】はNo.6とNo.7の順番が入れ替わったことが、受験生を惑わせただろうか。メモの取り方が変わってくるから注意が必要だった。

大きな変化があったのは、大問2【対話文・スピーチ】。問2で、地図を見て英語で道案内の文章を作る、という英作文の要素が入った問題が出題された。内容自体は1年生の教科書内容であるが、多くの受験生は困惑したであろう。

また、大問4【英作文】では、環境問題に関するリード文が非常に長い。これが前年度のよう

なテクノロジーに関する文章であったら、さらに難解な文章になっただろう。

★難関ポイント

 大問2【対話文・スピーチ】では、問2:道案内の英作文、問3:登場人物”Joseph”の性別判定、問5:”Nothing”という無生物を主語とする比較の文、と難解な問題が数多く登場した。

 大問3【長文読解】では、問2:疑問詞を主語とする疑問文に対する答え方が慣れていないと難しいと感じるかもしれない。また、問3空欄Aを含む文は、非常に構文の取りづらい文になっており、意味からの推測が難しくなっている。さらに、問6空欄3では、ふたつの“her”に挟まれる形になっており、代名詞の働きの違いを理解したうえでの「buy 人 物」+「関係代名詞」の知識を駆使する、非常に複雑な問題が出題された。

 全体を通して、必須な知識の変化も見受けられる。例えば、”play an important role””not only A but also B”といった熟語ないし文法も注釈無しで登場する。

★今後の勉強に向けて

 英語教育改革の影響もあって、英語学習をするにあたり、どれくらい多くの英語を読んできたか、

どれくらいより実用的な場面を想定し、英語を使う練習をしたかが問われる問題だった。また、「子育て支援センター」、「イースター」、「環境問題」など、より専門的で、かつ他科目との横断的な知識・思考力が要求されるトピックが扱われるようになった。

 「コミュニケーションツールとしての英語」、「科目横断的な教養としての英語」の両方をバランスよく身につけることが要求されている。来年度の入試に向けてやることは、英語学習における「読む」割合を増やし、英語を実際に使う実用的な訓練とともに、学校生活全般で扱われる総合的な科目の知識に触れ、それらを英語で考える、という機会を充実させることがカギとなるだろう。

 さらに、エイメイでは、長文読解に有利な「構文解釈」を先取りして教授する。高校生になってから習うこの「文型」の知識を、中学生のうちにマスターしていく予定である。

国語

〈問題構成〉

問題構成は例年通り5つの大問(1.文学的文章 2.漢字の読み書き・語句・文法 3.説明的文章 4.古文 5.課題作文)から構成されていました。

点数配分は今年から大幅に変更があり、課題作文が12点になったのが大きな変更点でした。さらに、大問2のところでも24点に上がり、問題数も1問増えました。また文学的文章や説明的文章でも26点の配点になり、記述問題で7点の問題が増えたのが大きく変わった点になります。

今年は、点数配分が大きく変わったことで、今までとは違った得点になってくることが予想されます。

特に、課題作文が12点満点になり、段落指定が出たことでの影響は多少生じてくる可能性が高いです。

〈大問別のポイント〉

〇大問1(文学的文章の読解) 文章の内容は、本を中心とした、老人と図書館員の話となっていました。難易度にそこまで大きな変化はなく、問題の構成も大きな変化はありませんでした。記述でも、例年通り語句指定の問題が出題され、今年は配点が1点上がり、7点となりました。また、最後の問題では全体把握の問題が出題され、文章全体の内容を把握していなければ、解けない問題となっていました。

〇大問2(漢字の読み書き・語句・文法)基本的には例年と変更点はありません。去年から出ている新傾向の問題がそのまま今年も出題され、その部分での問題数が1問増えていました。文法は、文節の関係について出題され、単元的には1年生の内容ですが、やや難しめな問題となっていました。また、語句の意味も出題されました。

〇大問3(説明的文章) 「自然」の捉え方を話題にした文章でした。文章自体の難易度は、例年通り難しいものとなっていました。ただ、問題に関しては、例年よりも少し易化し、記述問題でも例年と比べると易しい傾向にありました。こちらも、記述問題は6点から7点に配点が変わっていました。同じく語句指定となっており、来年度も同じ形になることが予想されます。近年この大問3の説明的文章は難しい傾向にあった中、今年は比較的解きやすい問題となっていました。

〇大問4(古典) 本文の難易度はやや難化しました。例年以上に本文の内容を読み取れる必要があり、キーワードにも注釈がなく、読解力が問われる問題となっていました。

構成自体に大きな変更はなく、例年通りでした。

〇大問5(課題作文) 資料から読み取ったことをもとに自分の意見を書く問題でした。課題作文に関しましては、まず配点が変わったことが大きな変化になります。また、埼玉県ではなかった段落指定が出題されました。内容は、資料を読み取り意見を書くという内容ですが、何について聞かれているのかをしっかりと捉えなくてはならず、例年よりも難易度は上がってきています。特に、ここ最近は北辰テストも含め、「資料からの読み取り」がかなり強く意識されています。来年度も、同じく資料を使った問題が出題されることが予想されます。

理科

昨年度から問題の形式が変化し、今年度も引き続き文章量が多い出題形式になっている。

理科の知識を蓄えるだけでなく、長文や図表を読み込む力も試されている。また、出題傾向に関しては主に出題される単元は大問ごとに1つだが、その中で、別の単元の内容に触れる複合的な出題がされている。

また、教科書の重要語句のみでなく、実験の手順や、細かな記載などからも出題されており、今まで以上の勉強量が必要になっている。

大問1~小問集合~

各分野からの比較的解きやすい問題が出題されている。ただ、問1の正誤問題に関しては、教科書に小さく記載がある実験の結果を問う問題であり、近年出題されていない内容であった。実際に行った実験について、経験を覚えておくことが重要である。また、問8の作図問題に関しても単純な作図ではなく、捻られた問題になっており、苦戦した受験生が多い。

大問2~天気~

2年生で学習する天気の分野からの出題。記述問題が全2問出題されているが、全体としての難易度は例年通り。しっかりと学習をしていれば得点を伸ばせる単元である。記述に関しては、問2の前線の特徴は出題されることも多く演習を多くこなすことで対応ができる内容だった。問5には、教科書などでの記載がない内容が出題されている。しかし、問題中の図によって説明されている内容で、自ら考えることで答えを導き出せる問題であった。知識だけでなく、思考力が問われる問題が近年出題されている。

大問3~植物~

1年生で学習する植物の分野からの出題。理科の単元の中で、身近で想像しやすいこともあり、得意とする受験生が多い。だからこそ、ここでの失点が差に繋がりやすい単元である。全体として難易度は低めの出題がされており、事前に学習をしていれば対応可能な内容である。その中で、問4や、問5のように実験の意図や考え方を問う内容が出題され、普段から答えだけでなく、なぜその答えが導けるのかを考える練習が必要である。

大問4~中和~

3年生で学習するイオンの中の中和の単元からの出題。2種類の中和を実験で扱っており、長い問題文を読み、どのような実験をしたのかを正確に把握する必要がある。問3、問5に関してはイオンや中和という現象の正確な理解が必要で、暗記だけの表面的な学習では点数につながらない内容となっていた。また、問4に関しては1年生の「身のまわりの物質」の単元の内容を合わせて出題されている。

大問5~音~

1年生の身の回りの現象からの出題。全体として問われている内容は基本的な内容が多い。ただ、出題の形式が見慣れない形での出題となっており、苦戦した受験生は多いと予想される。今まで学習した知識だけでなく、出題された文章をよく読み理解した上で、知識に結びつけることが必要である。問3、問4に関しては2年生の電気の分野からの出題。特に問4に関しては電磁石に関して深い理解が必要で正答率が低いことが予想される。問5の計算問題に関しては、答えのみを記入する形式で、途中の考え方の記載が必要なくなっている。

社会

出題傾向に大きな変化は見られない。

問われる問題自体は目立って難しいということはないが、問題文、資料、地図の読み取りのミスによる減点の可能性が高い問題はいくつか見られた。

大問1 世界地理

問題や難易度に大きな変化は見られない。しかし、問1の問題で「二つ答えよ」など単発で答えられる問題でない形が増えてきている。知識の定着が必須。また、問5の資料読み取り問題は、「額」「割合」などの語の読み違いによるミスをしないように、日頃から練習が必要である。

大問2 日本地理

問1、問3ともに一問一答レベルの問題。こういう問題をいかに落とさないか。問4の問題のような農産物に関する問題は都道府県、農産物ごとにどこが多いのかを知っておくと正確かつスピーディーに解くことができる。問5の地形図の問題は「地図記号」「実際の距離」「方角」「標高」と問われるものは決まっている。対策がしやすい。

大問3 歴史古代~近世

問3のような世界のできごととの結びつきが近年見られる。問5の大名についての記述は細かな知識を問われ、少々手ごわかったかもしれない。用語に対して、自ら説明をくわえることができるか。大問3は特に細かな知識が必要になってきている。

大問4 歴史近代

並び替えの問題は易しめ。上位校を目指す生徒は取れていてほしい。注意として、並び替え問題は単体で対策するものではなく、歴史を勉強していく中で解けるようになるものである。正答率も低いこの問題に対策の時間をかけるのはもったいない。問5の日中共同声明は用語自体があまり頻出でないため難易度が比較的高いのと、こういった空欄補充問題は読解ミスでの減点の可能性がある(まとめの最後に日中平和友好条約があるにも関わらず、「国交正常化」のワードだけでそう答えてしまう)。

大問5 公民

範囲が広く、経済や国際社会の分野など学校によっては直前にやった単元もあり、理解が甘い部分があったのではないか。特にパリ協定は悩んだ受験生が多かったはず。記述は銀行の銀行、比例代表制と基本的であった。公民は学校によって進度が違うが、予習で進めていかないと今回のような範囲だとかなり苦労する。

大問6 総合問題

近年世界史分野の出題が増えている。内容も細かいので、しっかり対策が必要になる。