勉強合宿、中1から中3まで全員が顔を揃える特別な数日間。
当然、校舎の前に並ぶ自転車の数はとんでもない量になる。
普通なら、入り切らなくなって溢れかえったり、後から来た子が停める場所に困ったりするのが当たり前だ。
ましてや今は、受験も学年末テストも直前。誰もが自分のことでいっぱいいっぱいで、周りを見る余裕なんてなくてもおかしくない時期。
でも、羽沢校舎の駐輪場は違った。
先生の声かけ、ゼロ。
外を見て、俺は思わず足を止めた。
そこには、まるで自転車屋さんの売り場かのように、一糸乱れぬ様子できれいに並んだ自転車があった。
誰か先生が指示をしたわけじゃない。
「きれいに並べろよ」なんて一言も言っていない。
それなのに、あの光景。 これには正直、猛烈に感動した。
想像力が生んだ「連鎖」
きっと、早く校舎に来た生徒が、後から来る仲間のことを考えて「詰めよう」と思ってくれたんだろう。
そして、後から来た子たちは、その整然と並んだ自転車を見て「自分もきれいに停めよう」と、その想いを汲み取ったんだろう。
あの駐輪場には、言葉にならない優しさと思いやりの連鎖が、ぎっしりと詰まっていた。
「勉強」のその先にあるもの
勉強はもちろん大切だ。一問でも多く解き、一文でも多く覚える。
それが今の君たちの使命かもしれない。
でも、こんなに大変な時期だからこそ、自分以外の誰かを思いやれる。
その心の余裕と強さを持っている君たちが、俺は嬉しくて仕方がない。
学力だけじゃない。 こういう「見えないところ」を大切にできる君たちは、どこへ行っても通用する。
羽沢校舎の自慢の生徒たち。 その優しさを武器に、全員で最高の高みへ行こう。

